やなせななブログ

シンガーソングライター・やなせななのブログです。

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セルフライナーノーツ・その4 家路

やなせなな5th Album『夜が明けるよ』のセルフライナーノーツ。
4回目です。

Tr.3 家路

歌を作るということは、どの曲の場合も
全身全霊を傾けて、必死で創作することに変わりはないのですが
その中でも
 いのちを削る想いで書く曲
というものがあります。

何かとてつもない現実に触れて、わたしの心が激しく揺さぶられ
これは絶対に歌にしなくてはならない、という
使命感 のようなものに駆り立てられて作る歌。
別に誰にも頼まれてないんだけどね(笑)


これまでの作品の中では
前作の表題曲で、東日本大震災で亡くなった方々のことを描いた「春の雪」などが
そういう歌の代表的な例ですが

「家路」もまた
そんな曲のひとつでした。

書こうと思ったきっかけは、2014年12月の福島市でのコンサート。
ご来場くださったひとりの女性が、原発事故で離れたふるさとへの思いを、わたしにそっと耳打ちしてくださったのでした。
胸がぎゅっとつかまれるような
それは、かなしい言葉でした。

その日に至るまでにも
震災以降に訪れた福島で耳にする問題は
わたしの心の上にも重くのしかかっていました。

あるとき地元の人から
「どうしたらいいと思うか」
と問いかけられ
「わからない」
と答えると、ものすごく失望された、という忘れられない経験もあります。

もちろん簡単に答えの出るようなものではなく
ずっと考え続けるしかないもの


お前に何ができる
お前なんかにわかるはずもない
偉そうなことを言うな

そうだな、そうだなと頷きながら
自分の無力さに憤りを感じた日もありましたが
やっぱりわたしは歌を作って唄うにんげんのはしくれのはしくれだから
唄うしかないなと思って
作ったのです。


とはいえ
わたしの歌は、ただの重い「主張」ではいけないだろうと思うのです。
もちろん、それが 映える というか、ストレートに伝えられる偉大なアーティストもいますが
わたしにはその力量がないので

少なからず誰もが心の奥に抱いている“郷愁”に訴えかけるような
やさしい記憶を描くことで
伝えられるものがあるのではないか、と考えました。

震災以降、福島だけではなく、岩手や宮城、各地で出会った人のことを思い出しながら
その時目にした光景を思い浮かべながら
そして
自分のいとしい故郷を想いながら


まずは歌詞を書きました。
メロディを決めずに、文字数もバラバラの詩に、想いを乗せて。
最終的に削ることを前提に、四季を感じさせる単語をたくさん列挙してみたり
とにかく書く。

それを何日もかけて削り、語句を入れ替え、修正し
次に唄ってみて
メロディを作りながらまた削る。整える。
メロディ という縛りによって、語句は選別されていくのです。

そしてさらに言葉を修正し
だんだん固まって来ると、細部の調整。
ここの3文字を何にするのか といったことを、何日もかけていろんなパターンで試し、聞いては入れ替えるのです。
これは地道なパズルのような作業。
机の前だけではなく、食事のときも、皿洗いの最中でも、お風呂に入っているときも、寝る前も
ずっと考える必要があります。いつ、どこで、最適な言葉をひらめくかがわからないので。
曲作りではいつもやっていることではありますが、産みの苦しみを感じる、負担の大きな部分でもあります。

そしてようやく完成。


アレンジは、10年来の親交がある、ギタリストの武藤良明さんにお願いしました。
デビューして間もないころ、何度かライブのサポートをしていただいただけではなく
音楽活動に行き詰ったときや、震災など、人生の節目に連絡をしていた、尊敬するミュージシャンです。

武藤さんは長年河口恭吾さんのアレンジに携わっておられて、実際にライブも見に行きました。
ギターの音に、ざらっとした手触り感があって、すぐそばで弾いているような生っぽい音
どことなく、なつかしさ・せつなさを感じさせつつも
決して重くない、明るさやポップさ―“聞きやすさ”を持ち合わせている
こういう感じの編曲イメージがいいなあ、と思ったのです。

「いのちを削って」作ったものを、重苦しいアレンジにはしたくなかったのです。
重い主題であればあるほど、ほんわかと、さらりとしたサウンドで演奏したい。
そうすることによって、作り手本人のわたしでは見えなかった世界が、きっと広がるはずだし
伝わるものも変わるはずだと、そう考えていました。

狙いは大成功で
どこかしら日本っぽい印象がありつつも、あっさりした余韻が残る
素敵なアレンジが返って来たのでした。
間奏のフレーズがとても印象的♪


余談ですが
武藤さんは岩手県の出身です。
震災で甚大な被害を受けた地域には御親戚もあったと聞きました。
音に直接関係はないとも言えるけど、でも
編曲をしていただいたのは、縁だったのかな と、思わずにはいられませんでした。
 


とても力を入れて書いた歌詞ですが
我ながら気に入っているのは

 わたしが育った村のことば 聞いてください
 今は遠く 背を向けている
 ほんとうは なまりさえ いとおしい

というところでした。
「郷愁」
これからもたいせつにしたい、作曲テーマです。




そんな「家路」が収録されているアルバム『夜が明けるよ』発売記念ライブの情報も含めて、スケジュールページに随時アップしておりますので、是非お越しください!!!
このあとは、函館、大阪、東京、宇都宮、白石などが決定しています(*^^)v


そして「家路」は
CD特設ページの試聴コーナー(コチラ)で一部をお聞きいただけるほか
ダイジェスト映像でも少し流れますので、ぜひぜひ聞いてくださいね♪


そして全部聞いてみたい!という方は、CD『夜が明けるよ』(DDCZ-2103)をご購入いただけるとうれしいです。
amazonなどのwebショップでお取り寄せができるほか
全国のCDショップどちらからでも、時間はかかりますが、お取り寄せは可能です。
また、iTune Storeなどで、単曲ダウンロードもできますので、ぜひぜひお聞きください。

アルバムの特設ページは★コチラ





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