やなせななブログ

シンガーソングライター・やなせななのブログです。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

セルフライナーノーツ・その1 アルバム全体について

8月24日に、やなせななのフルアルバムとしては7年ぶり、5枚目となるアルバム
『夜が明けるよ』(DDCZ-2103)が発売となりました。
yanasenana jk - コピー
amazonなどのwebショップでお取り寄せができるほか
全国のCDショップどちらからでも、時間はかかりますが、お取り寄せは可能です。
また、iTune Storeなどでダウンロードもできますので
ぜひぜひお聞きくださいね。

アルバムの特設ページは★コチラ

そして、CD発売を記念して、各地でライブを開催いたします。
情報はスケジュールページに随時アップしておりますので、お近くの方は是非お越しください!

---------------------------------------------

今日から少しずつ、アルバム収録曲について、このブログで書いてみたいと思います。
いわば、セルフライナーノーツのような感じですかね。
まずは、アルバム全体について。


タイトル/夜が明けるよ
よるがあけるよ、と読みます。

もともとアルバムを作りたいなと思ったときから
どのような構成にするのかというイメージは固まっていました。
ただ思いつくままに作詞・作曲をして、曲のストックを増やすのではなく
アルバム全体のイメージが先で、
そこにはどんな曲を書くべきなのか、という制作の取り組み方です。

今はダウンロードで曲を1つ1つ購入したり
アプリを使って低価格で一度にたくさんのミュージシャンの曲に触れたり
youtubeで好きな曲を途中まで聞けたり

音楽との接し方は、ここ数年でも目まぐるしく変化しています。
それが業界にとっては打撃になったとかならないとか、ちらほら聞くこともあるのですが
わたしは大手をバックに音楽活動をしているわけではなく
ライブをするために各地を歩き
目の前のお客さんに、バナナのたたき売りのようにCDを売る方法でずっと来ているので
時代の波なんてものは、まったく関係ないのでした(笑)

なので、アルバムを作る、といえば
手にしてもらえる“CD”を前提に考えるわけです。
すべての曲を頭から通して聞いてもらって
どんな世界が広がるのか
CD1枚全体を通じて何を表現するのか。
この発想はもう時代遅れかもしれないけど
変わらぬ手売りのための、ものづくりです。

というわけで
アルバム全体で
まずは人の「一日」を描きたいと思いました。
夜が明けて、朝になり、日中いろいろあって、夕暮れが来て、夜になり、また朝が来る…という営み。
これがCDの言うなれば“縦糸”です。

次に、人の「一生」を描きたいと思いました。
子ども、青年、壮年、老年
それぞれの年代の、それぞれの人生です。
これが“横糸”。

それらを交差させて、紙というか地図のようなものを作り
それを空の上から“かみさま”が見て、ひとつひとつの人生をクローズアップして歌にする
というイメージ。
これはへたくそな図解↓(笑)
アルバムイメージ図

こんな図を机の前に貼り
時間帯と年代を意識しながら、曲にしたい題材を探す作業に取り組もう
と思ったのですが
そのときはまだ全国各地のお寺コンサートに飛び回っている時期で
曲を作る時間はまったくありませんでした。
なので、心の奥にそのことを留めながら日々を過ごし
実際に手をつけたのは2014年12月でした。

どんな人生にも
絶対に悲しいこと、つらいことが起こるけれど
誰かが誰かを想うことで人は生きる力を得て
かなしみの中にあっても人生は輝いているのだと
そんなことを描きたいなと思っていました。


曲を1から描くのは久しぶりで、最初は何も出て来なかった。
わかりやすい表現を取ると、便秘のような感じです。いやほんとに。

わーどうしようー
と思いながら、まずは詩を書こうと決めて
リズムも文字数も何も気にせず、大量の詩を書きました。

時間帯と年代を意識してみましたが
書いた詩にはもちろんボツもあり、全てそろえられたわけではありません。
でも、とりあえず詩を絞り込み
そこから作曲。
歌になることを前提としていない詩を前に
その詩を唄ってゆくという方法で曲を作っていくのです。

この詩にはどんなメロディが聞こえて来るのか
どんなリズムなのか
どんなテンポなのか
どんな楽器が鳴っているのか
唄いながらイメージはどんどんふくらんでゆきます。

もともと書いた詩は、「歌詞」用ではないので、字余りです。
構成も、Aメロ、Bメロ、サビ、というふうにはなっていないので
唄いながら推敲し、どんどん叩いてゆきます。
これは、なんとなく彫刻のような作業。
大きな木を、最初は大きな刀でがつんがつんと叩き
次第に細い刀に変えて、細部を彫っていくようなイメージ。

ここをAメロにしよう
ここは頭でサビ、繰り返し
と、ただの詩が、メロディと共にどんどん歌詞になります。

そしてメロディが固まれば、和音。
わたしは楽器が弾けないので、凝った和音はつけません。
頭に鳴った、ごく簡単なものを、編曲家に変えてもらう前提でざっくりとつけます。
それを古い打ちこみ機械に入力し、自動演奏させて唄い
それを録音して、聞き直す。
するとメロディや、歌詞のアラがまた見えるので
また叩く。

その段階で、実は家族には聞かせます。
家族は音楽の素人。
でも、「うーん」と言われれば、やり直すのです。
家族は基本的にやなせななの歌が好きなので、「いいやんいいやん」と言ってくれるのですが
それでもイマイチだなと思うと、遠慮なく首をひねるのです。
その「イマイチ」の指摘は、自分が迷ったり、悩んだりしている部分と、大抵は合致します。
やっぱり、ごまかせないな、と感じ、その「なんかわからんけど、イマイチ」と言われたところを叩きます。

それを繰り返せば
まず原曲は完成。

それを、今度は編曲前に
簡単な和音を実際弾いてもらっている状態で唄い、きちんとしたスタジオの環境で録音します。
この時点で、曲や詩はほぼ完成していますが
唄い方はまだ全く固まっていません。

その粗いデモテープを編曲家に渡し
アレンジをしてもらいます。
編曲家にもよりますが、どんなイメージで、どんな楽器が鳴っていて
と詳しく説明することもあり
今回のサウンドプロデューサーのミムラシンゴさんは、その点の聞き取りがとてもていねいでした。

アレンジで重要なのは
アルバム全体を通してのバランスを考えるだけでなく
1曲1曲をそれだけで聞いても、もちろんきちんと成立する世界を
音でしっかり紡いでゆくこと。
たとえばラジオから流れて来た時、聞く人の心にちゃんと届くのかどうか
曲の一部を切り取って来ても、ちゃんとその曲の色が出ているかどうか
考えておかなくてはいけない点はたくさんあるのです。

そしてアレンジが返って来て
自分のイメージや感想をやり取りして修正
その後、アレンジ完成となるわけです。

出来上がったデモカラオケを手に入れると、今度は歌の練習をします。
どう唄うのが最適なのか
いろんな声を試すわけです。
また、自宅で録音するだけでなく、スタジオでも録って、さらに細かく自分をジャッジします。

それが終わればいよいよ本番レコーディング。
実際ミュージシャンという人間の手によって演奏されると、デモとは異なる「人の息吹」がプラスされてゆきます。
レコーディングなので、確実な音がもちろん必要ですし、そこは決して妥協できませんが
同時に、完璧でない人間の奏でる音の、ゆらぎがまた大切なのです。
確実に弾いていただくことはもちろん、そこに、その人にしか出せない味がにじみ出るとき、
我が作品ながら、ぞくぞくして、とても感動しました。

音を録音したら、今度はそれをミックスして、マスタリングして
これらのスタジオ作業は、エンジニア・三輪卓也さんとサウンドプロデューサー・ミムラシンゴさんの
実に根気の要る作業。
音のおそうじ、配置、大小、色合い・風味、バランス、
ほんの少しの差が大きな違いになってしまう繊細な調整です。
わたしは時々立ち会って
気になったことを伝えます。
意見を交換し、虫眼鏡で細部を見るようにチェックにチェックを重ね
もう見直すところはほんとうにないか、ギリギリまで考えて
「OK」
いや、待て待て
「今度こそOK」
あれ、ちょっと待って
「今度の今度こそOK」
あっ、まだ待って…
この直前の繰り返しの末の末に
やっと「OK」。
持久力のいる仕事ですね。

これで音は完成です。


音を作りながら一方では
どんなジャケットにするのか
どんな歌詞カードにするのかを考えました。
ジャケット写真を撮影してくださったナナツモリのカメラマン田村広司さんは、2009年発売のアルバム『願い』の頃からずっと写真を撮ってもらっていて、全幅の信頼を置いているのですが
今回は、さらに強力なスタッフがナナツモリに加わっていました。
川本木綿子さんという、デザイナーさんです。
写真も撮る彼女は、のんびりしてかわいい女の子、という感じの風貌でしたが、
厳しい田村さんに仕事を任されているだけのことはあって、
仕事は確実で迅速。ガッツもあると感じました。
こちらも言いたいことはけっこうガンガン言ってしまいましたが
いつもにこにこと、冷静に対応してくれて
おかげさまでこれしかない、というジャケット・歌詞カードが完成しました。
手にしたときは、うれしくて泣きそうになったのですよ。ありがとう、ナナツモリさん。


発売までには面倒な手続きもいっぱいあって
わたしはそういうのがほんとに弱いのですが
ここはSSNWの担当者・Oさんが、これまたほんわかした感じの良いキャラで
癒されたり、励まされたりしながら進めることができました。

晴れて8月24日に、無事アルバムは発売。
さらにライブを計画し
プロモーションビデオを作り

いろんなことを
しなくてはならず

実はまだ
その「いろんなこと」の途中で

わーどうしよう。


でもとりあえず
暮らしの中の11個の物語が
渾身のうたになりました。


ぜひ聞いてやってくださいね。














こちらランキングにも参加しております(*^▽^*)
ポチっとクリックしていただけると、うれしいです。
↓↓↓
にほんブログ村 音楽ブログ シンガーソングライターへ
にほんブログ村

にほんブログ村 その他日記ブログ 40代 日々のできごとへ
にほんブログ村
関連記事

| ライナーノーツ | 2016-09-16 | comments(-) | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT