趣味で月に1~2度通っている、太鼓の稽古場で1枚の、能楽の公演チラシをいただきました。


太鼓の先生いわく、大病を克服し、必死でがんばっている人が主催者の能楽師だとのこと。
興味が湧いてネットを検索すると、こんなサイトが出て来たのです。
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大阪の観世流シテ方・水田雄晤さんは、大曲「道成寺」を演じるために
現在クラウドファンディングに挑戦されています。
水田さんは、1972年に能楽師をされていた、故・水田博さんの元に生まれました。
お父さんの教育方針もあって、当初は能楽師になるつもりはなかったという水田さん。
あるとき、お父さんが、若手能楽師の修練の集大成でもある大曲「道成寺」を演じる際のリハーサルで大けがを負われ
一度は演じるのを断念したものの、15年後、水田さんが高校生の時に、再度チャレンジされるその姿を見て
大変深い感銘を受け、ご自身も能の道に進むことを決意されます。
その辺りのお話は、この連載を読んでいただければ、ご本人が書かれているので非常に詳しいです。
感動的なエッセイ「能楽奮闘記」は、以下の数字のリンクをクリック↓
★第一話
(1)★第二話
(2)★第三話
(3)★第四話
(4)★第五話
(5)その後、厳しい内弟子修業を経て独立。
様々な曲目を演じ、一人前の能楽師としてこれから、という時に、憧れだったお父さんが亡くなられます。
その悲しみをもバネに、能楽師として多忙な日々を送られた水田さんは
プライベートではご結婚、お子様も授かり、少々の無理を押してでも、更なる精進を重ねられます。
そんなある日
体に異変を感じられました。
病名は心筋梗塞、そして脳梗塞。
それでも治療をしながら舞台の仕事を続けたある日、脳梗塞が再発してしまったのです。
最初に患ったときよりもずっと重症で
一度は寝たきりになったとのこと。
そこから必死でリハビリをし、車いすから、ひとりで歩けるようになるまで復活されたそうですが
脳に重い後遺症で、ろれつが回らず、言語障害が残ってしまいました。
さらに、修業時代から命を削る思いで覚えた、膨大な数の能の演目のセリフが、すべて失われてしまったとのこと。
呆然とされたそうですが、そこでも気持ちを前向きに持って、果敢にリハビリを続けられたそうです。
そして今年5月
ご自身が能の道に進むきっかけとなった、「道成寺」を披露されることが決まりました。
ところが、これには多額のお金が必要になります。
そこで今回、クラウドファンディングに挑戦されているのです。
水田雄晤さんの挑戦
「病からの奇跡の復活!転んでも道成寺・諦めなかった三世代の絆!」は
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ところで
能楽
皆さんご覧になったことはありますか?
もともとは中国大陸から伝わったさまざまな芸能が
いろいろドッキングして、日本独自の進化を遂げた舞台芸術が「能楽」です。
笛、小鼓、大鼓、太鼓という四拍子と
地謡と呼ばれるコーラス隊
そして主役を演じるシテ方
脇役を演じるワキ方
それぞれの役割を担う演者によって構成される舞台は
日本の神話や、平家物語、源氏物語、天狗や鬼などの伝説などを題材にした
お芝居、いわば和製オペラのようなものです。
舞台セットは非常にシンプルですが
見る人の想像を掻き立てる演出が素晴らしく
また、面や衣装、セリフ回しの美しさや
極限まで無駄を省いた動き、舞
緊迫感あふれる間合い
その魅力にはまると、奥が深い伝統芸能です。
ふだんの生活ではなかなか触れる機会もなく
なんとなく、高尚で近づきがたいイメージを持たれますが
一度は見てもらいたいと、ひとりの能楽ファンとしては思います。
特に「道成寺」は
演じる人は命がけです。
以下、権藤芳一さんの著書『能楽手帖』より引用(駸々堂出版、1979年刊行)
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道成寺【みどころ】
いわゆる「安珍清姫」の伝説を取り上げながら、それを直接的に扱わず、後日譚の形で劇化し、男に捨てられた女の激しい恋の恨み、死後にまで残る執念の恐ろしさを主題にした作品です。
現行曲二百数十番の中で、これほど大がかりで大そうな曲はありません。まず開演早々四人の狂言方によって、実物大の釣鐘が舞台に吊り上げられます。鐘は作り物ながら、八十キロほどあります。能舞台の天井にある滑車も、笛柱に取りつけてある真鍮の環も、この能のためだけにあるのです。この巨大な鐘は、絶えず見物に恐怖と圧迫を与えます。
<乱拍子>―裂帛の掛声をかけ、長い間をおいて打たれる小鼓、シテはそれに合せて足を出したり引いたり、身をかがめて足拍子を踏んだりするだけの、およそ日常的な時間と動作を超越した息づまる一段です。充実した静の極地から、突如、堰を切った奔流のように激しい囃子で<急之舞>がまわれ、持った中啓(扇)で烏帽子をハッシと打ち落として、鐘の中へ飛び込みます。シテは面をつけているので視野がせまくかなりの危険を伴います。シテと鐘後見の呼吸一つにかかった手に汗を握る一瞬です。
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こうして書きうつしていると、以前「道成寺」を見た時のことを思い出します。
いやあ、ほんとうにほんとうに、すごい舞台なんですよ!!!
百聞は一見にしかず!
しかも演劇は生きものですから、その場で、生で見ないと意味がないです!!!
わたしは今回の水田さんのチャレンジに感動しました。
まず、大病を克服し、必死で舞台に向き合っておられる姿。
そしてもうひとつは
クラウドファンディングに挑戦されたお気持ちです。
舞台人が、金銭的なピンチを包み隠さず公表するというのは、とても勇気が要ることです。
お客さまに弱いところを見せたくない、そう思うものではないでしょうか。
しかし、その点もきちんと伝えた上で
能楽堂を満席にしたい、ひとりでも多くの人に足を運んで欲しいと、心の底から願っておられる
その誠実な気持ちに胸を打たれました。
能は、後世に伝えるべき、素晴らしい芸術です。
ところが、今では後援者も以前に比べれば減少の一途をたどっています。
まずは知らないから愛好者も増えない、という悪循環。
なので…
わたしが言うことではないのは重々承知しておりますが(汗)
とにかく、能楽ファンとして申し上げます!
どうか水田さんの挑戦に、ご協力をお願いいたします!
水田雄晤さんの挑戦
「病からの奇跡の復活!転んでも道成寺・諦めなかった三世代の絆!」は
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そして
道成寺の舞台をぜひぜひご覧ください!
一生忘れることのない感動が生まれると思います!
水田松韻会 故水田博 十三回忌追善能日時:平成30年5月20日(日)
開場:12時 開演:13時
会場:大槻能楽堂(大阪市中央区上町A番7号)
料金(前売):一般 10,000円 学生5,000円
※当日は1000円UP
チケットのご予約は…
水田松韻会 ℡ 090-1913-5763
大槻能楽堂事務局 ℡ 06-6761-8055
Confetti
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